Story
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Iura Arata
井浦 新
(俳優)

その瞬間を思い切り生きることで、
新しい何かが生まれる。

2019.03.11 update
2019.03.11 update

その時代の最先端
伝統として長く
残っていくのだと思う。

店内のソファに腰を下ろし、自身の腕につけられた「CODE 11.59 by AUDEMARS PIGUET」を見つめながら、彼は静かに語りはじめた。

「このモデルはオーデマ ピゲのなかで一番新しいものなのに、店内にディスプレイされているどのモデルよりもクラシックに見える。とても面白いですね。ロイヤル オークのような重厚感とはまた違う、削ぎ落とされた、洗練された表情からは、紛れもなく最先端の技術が凝縮されているというのがわかるのに、どこかクラシックな雰囲気が漂っている。新しい“伝統”の誕生を目撃した、と感じます」

自身が手掛けるブランドではファッションアイテムはもちろん、江戸切子をはじめとした伝統工芸と積極的にコラボレートし、日本の伝統文化・芸術・芸能の継承と活性化に取り組んでいる。

「長く続いているというのは本当にすごいこと。僕は“伝統”は古いものではなくて、その時代時代の前衛というか、“最先端”のものが伝統として長く残っていくのだと捉えています。150年前、オーデマ ピゲが誕生した頃の時計は、その時代の最新技術の粋を集めたものだったのでしょう。それが今も続いているということは、決して古いものではなく、長い時間に裏打ちされた技術の結集。そしてその最先端として生まれたのが、このCODE 11.59 by AUDEMARS PIGUETなのだと思います」

時間は
その限られた時間を
どう生きるか。

井浦さんにとって“時間”とは、どのようなものなのだろうか?

「僕は時間を“命”だと捉えています。言い方を変えれば、僕らは一秒一秒、自分の“死”に向かって時間を進めているわけです。でも、決してそれをネガティブに捉えるのではなく、だからこそ限られた時間のなかで何をしていくかということを考えたときに、自分がとるべき行動ややるべきことは自ずと見えてくる。長いようで短い時間のなかで、“生”を謳歌することに意識を向けると、自分自身が研ぎ澄まされていくのです」

自分の時間に限りがあるということを意識しながら生きる。しかし、決して生き急いでいるわけではない。

「ぬるっとしている暇はないというのは正直あります。かといって、せかせか焦っていたくはない。時間の終わりがいつか来るということをしっかり受け入れて、その瞬間瞬間を思い切り生きる。その積み重ねが最終的にはまた新しい何かを生み出してくれるのだと思っています。僕はあまり大きな夢とか、目標みたいなものは掲げないようにしています。純粋に目の前の瞬間をしっかり生きるというのが、いちばん人間らしくていいかなって」

答えがないからこそ
もがき、喜びを感じ、
そしておもしろい。

答えがないからこそ
もがき、喜びを感じ、
そしておもしろい。

俳優という職業は、与えられた役柄、人間に、その“命”を吹き込む作業といっても過言ではない。

「あまり技術に溺れないようにしています。さまざまな監督のもとでいろんな人間を表現することに時間をかけ、鍛錬を重ねてきたので、それで身についた技術や経験はある。でも、それだけになってしまうと、役は成立して、撮影自体は成立したとしても、僕にとっては物足りない。僕は技術よりも“心”を大事にしていて、心から“ある人間”になるということを常に意識しています。その人をちゃんとつくり、その人の心で芝居をすれば、技術はあとからついてくると思っているので。それが自分の役者道というか、そういうものを表現し続けられたらと思っています」

「演じる」というよりも、その役と台本の世界に「生きる」のだという。

「本当に答えのないところに向かって行っている感じで。いつも撮影がはじまって、クランクアップしたとしても、『やった!』という充実感は得られますが、これで終わっていいのかなって。やっぱり“答え”は得られない。そんな、答えのない表現を喜びとしながら、もがきながら続けているのが “役者”という仕事の面白さ。答えが見えてしまったら、引退のときかもしれないですけどね」

その瞬間の新しいこと、
新しい自分を
表現し続けたい。

オーデマ ピゲの「CODE 11.59」というネーミングは、日付が変わる前の1分間を表している。平成というひとつの時代が終わりを迎えようとしている今、新しい時代をどう思い描いているのだろうか。

「僕の名前の“新”というのは、新しい時代になっても、その時代をちゃんと捉えられる、しっかり生きていけるようにという願いを込めて両親がつけてくれた名前です。現時点で僕が言えるのは、新しい時代を迎えても浮き足立たずに、今までどおりブレずに、地に足をつけて、その瞬間瞬間を大事に生きていくということ。ただ、頑に変わらないということではなくて、その瞬間を大事に生きるということは、常に革新し続けるということでもあります。その瞬間の新しいこと、新しい自分を表現していきたいと思っています」

井浦 新
(俳優)
Iura Arata

1974年東京都生まれ。98年に映画『ワンダフルライフ』に初主演。以降、映画を中心にドラマ、ナレーションなど幅広く活動。
そのほか、『SAVE THE ENERGY PROJECT』のアンバサダー、アパレルブランド『ELNEST CREATIVE ACTIVITY』のディレクターを務めるなどフィールドは多岐にわたる。
主演映画『嵐電』(5/24公開)『こはく』(7/6公開)NHK連続テレビ小説『なつぞら』に出演。

Photo:Masanori Akao, Styling:Kentaro Ueno(KEN OFFICE),
Hair&Make-up:Atsushi Momiyama(BARBER BOYS), Interview & Text:Satoru Yanagisawa,
Edit & Direction:Miyoko Sano(Condé Nast Creative Studio)

THE ROOM

新作「CODE 11.59 by AUDEMARS PIGUET」を試着できる
デジタルアート体験空間『THE ROOM』開設中

Information

会期 : 10月末まで
会場 : オーデマ ピゲ ブティック 銀座 1階 map

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